最後の勤務 ~小田編⑪うつ状態で休息を優先するためには~ | 札幌のカウンセリング こころの羽

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うつ病体験記depression story

最後の勤務 ~小田編⑪うつ状態で休息を優先するためには~

こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングルームこころの羽』のスタッフ小田です。

前回までのエピソードはコチラ↓

うつ病体験記1
うつ病体験記2
うつ病体験記3
うつ病体験記4
うつ病体験記5
うつ病体験記6
うつ病体験記7
うつ病体験記8
うつ病体験記9
うつ病体験記10

一睡もしないまま、休職を受け入れる決意をして出勤した私は、出勤後しばらくしてから上司に声を掛けられ、別室で面談を受けました。

上司は産業医から、私に休職を勧めたけれど、周囲に迷惑がかかるからと私が受け入れず、心配だと聞いたようでした。私は、信頼できる産業医が時間をかけて面談した結果、休職が必要だと診断したのだから、休職を受け入れると考え直したことを伝えました。
上司とは、1時間以上も面談を行い、「周囲に迷惑をかけるかどうかより、何よりも小田さんの体を考えて。」「休むことも仕事だよ。小田さんの経験が今後、心の病気で苦しむ後輩達の相談に活かすこともできるかもしれないよね。」「色々と話せて良かった。」という言葉をかけてもらいました。

なぜ、こんなに優しくしてもらえているのに、自分で自分を壊してしまったのだろうと思うと、自分が情けなく悲しくなりました。上司からは進行途中の案件について、箇条書き程度の最低限の引継を残してくれれば、後は勤務時間中であっても帰宅して良いと言われましたが、勤務時間中に帰宅することはできないと言って、なんとか最後の時間まで勤務させてもらうことにしました。

思いがけず訪れた最後の勤務日。私の部下も同僚も、明日から私が休職することは知りません。上司からは、明日以降に私が体調不良のため少しの間、休暇を取得すると周囲に伝えるので、私からの事前説明は不要だと言われました。数日前から出張のため、不在の部下もいます。その部下が出張を終えて出勤してきた時に、上司である私はいないのです。

「明日からしばらく休むので、よろしくお願いします」と部下や同僚に伝えられない後ろめたさから、勤務時間中は部下からの質問に可能な限り対応しつつ、引継書を記載しました。大した案件はこなしていないのに、ただそれだけのことで時間がかかって疲れを感じ、やはり自分の体力も能力も相当落ちていることを実感せざるを得ませんでした。

上司以外の職員が帰宅した後、上司に引継事項を説明しているうちに、「もう少し頑張れるんじゃないか。」「産業医の前で話した時は、深刻に考えすぎていただけかもしれない。」という猛烈な後悔が襲ってきて、上司に「やっぱり、私、まだ大丈夫だから休まずにできるかもしれません。」と休職を撤回しようとしましたが、上司からは再び休むことが仕事であると諭され、後ろ髪をひかれるような思いで帰宅しました。
自宅に着いた時には、一日の疲れからか冷や汗のようなものが体をつたい、息遣いもはぁはぁと大きくなっていて苦しく、ベッドに倒れこむようにして眠りました。

産業医からは生活面での負担を減らして環境を変える上でも、可能であれば職場から離れた実家に戻るよう勧められましたが、家族にもこの事実を伝えることはできないと思った私は、一人暮らしを継続することにしたのです。

(次回へ続く…)

◆岡本から、ひと言コメント

医師や上司から休職を勧められても、受け入れることは意外と難しいものかもしれません。

今回の小田さんのエピソードでも何度も葛藤しながら休職に入っていったことが分かりますよね。
「うつ状態」に陥りやすい方の傾向性として、「真面目」「完璧主義」「自責が強い」などの特徴が挙げられますが、その傾向がある方にとって「休職」は非常にハードルが高いことに感じる面があるように感じます。

私の父の場合も「うつ病」が悪化する過程で数ヶ月の休職をしていましたが、周囲の心配とは関係なく、本人は仕事に行こうとしていましたし、実際に休職期間中にも一時的に仕事へ行ってしまうこともありました。

それが、回復を悪化させてしまうことは後になってから気づいたのですが…。

休職を実現するためには、職場の協力と上司の理解、そして何より本人の「回復に向けた意志」が重要です。

日常の仕事の中でストレスを強く感じている場合は、休職が有効な回復手段であるものの、その一歩を踏み出せずに悩み続けてしまう方も多くいらっしゃることを日々、カウンセリングを担当させていただく中でも感じます。

「自分のための休職」と考えてしまうと決断できない場合は、「周囲のための休職」(=周囲に心配をかけないための回復期間)と置き換えて考えてみることも選択肢の一つかもしれませんね(^^)

『カウンセリングルームこころの羽』岡本教兵

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