こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングルームこころの羽』のスタッフ小田です。
前回までのエピソードはコチラ↓
うつ病体験記1
うつ病体験記2
うつ病体験記3
うつ病体験記4
うつ病体験記5
うつ病体験記6
二回目のカウンセリングの予約をするのと同時に、クリニックに行って現在の状態を診断してもらい、必要な治療を受けようと決心した私でしたが、平日に休暇を使ってクリニックに行く時間はありませんでした。なるべく早い日曜日に新患を受け付けてくれる場所をインターネットで探し、予約を済ませました。
クリニックに行く前日に二回目のカウンセリングの日がやってきました。初回は泣き通しだった私ですが、二回目のカウンセリングの前に、連休で少し体を休めることができたこともあり、大分いつもの冷静さを取り戻していました。初回のカウンセリングから一週間が経過していましたが、その間にあった上司とのやりとりで、岡本さんのアドバイスを思い出して、勇気をもって自分の現状を上司に話して、ストレスという水をコップから少しだけそらすことができたこと、この一週間で自分なりに気が付いたことを岡本さんにお話ししました。
岡本さんは真剣に私の話を聞いてくれて、この一週間の気付きに感心してくれました。初回は9分の8泣き通しだったわけですから、ほとんど泣かずに淡々と話せるようになったことは大きな進歩でした。初回の岡本さんのアドバイスも、泣きながらも私の中に残っていたから、勇気を持って行動することができたんだなと思うと、もう少し自分を見守ってくれる存在がいてくれた方が心強いと思いました。大分持ち直したと思っていた私は、翌日にクリニックでの初診があることをお話しして、三回目のカウンセリングを二週間後に予約して帰りました。
翌日は、クリニックの初診日。予約時間前に行きましたが、とても混んでいて、予約時間から一時間以上待たされました。その間にチェック方式の問診票四枚に記載し、血液検査を受けました。
いよいよ医師の診察の場で、医師は私の方をほとんど見ずにこう言いました。
「この問診票のチェックの数によるとうつ状態であると言えます。あとは、あなたが会社に行けないというのなら診断書を通常は一か月単位で書くこともできるし、精神を安定させたいのなら薬を出すこともできます。その薬も通常の薬、または漢方を選ぶこともできます。つまり、診断書は、自分の使いたいように使えるということで、どうするかは相談ということです。」
え?何それ?それって診察なの?患者がしたいようにできるってことだよね。私が知りたいのはそんなことじゃない。チェックの数でうつ状態なのはインターネットでもわかっているよ。業務から逃げ出したい思いはあるけど、だからって診断書を出してもらって休みたいわけじゃない。今の自分が一体どういう状態なのか、医師の客観的診断に基づいて、治療を受けたいと思っているだけなのに…。
このクリニックでの診断は、悪用したい人にとっては便利かもしれないけど、とても信用できないと思い、失望しながらクリニックを出ました。
◆岡本から、ひと言コメント
小田さんは、カウンセリングを2回利用した後でクリニック(心療内科)への受診を体験したわけですが、うつ状態になって悩む方の中にはカウンセリングを利用する前に心療内科への受診を考える方もいらっしゃると思います。
ここで、カウンセリングルームと心療内科(精神科)で出来ることを整理しておきましょう。
○カウンセリングルームで出来ること
・ストレスケア(ストレスの軽減)
・思考の整理、気持ちの整理をすること
・心の仕組みを学ぶこと
・自分自身の課題や本心(本音)に気付くためのサポート
○心療内科(精神科)だけが出来ること
・診断及び診断書の発行
・お薬の処方
・先天的な障害や病理的要因の治療、改善
一般的な病気の治療と同様で、病院では「病気」に対する治療に関して対応してくれますが、その方の「心」に関する対応は専門外になってしまうこともあります。
もちろん、病院にカウンセラーが常駐している場合は、カウンセリングルームが得意とするサービスを受けられることもあります。
そういった病院は、利用者からも人気があるので、1~2ヶ月待ちになることも・・・。
私の考えでは、1~2ヶ月待つことが出来る場合は、心療内科を予約してみる。
1~2ヶ月待つことが厳しい場合は、まずはカウンセリングを受けてみる。
と言うのが、カウンセリングを利用するべきか病院を利用するべきかの判断ポイントかもしれません。
また、別のパターンとして「とにかく、仕事に行くことがキツイ!」となっている場合は、すぐに予約がとれる心療内科を予約して「診断書」を書いてもらうことも選択肢ですが、自分自身の心の課題を乗り越えたいと思う場合は、やはりカウンセリングも考えてみる価値があると思います。
心が悲鳴をあげている状態(=眠れない、食べられない、起きられない等)の場合は、早急な改善が求められるシチュエーションもあると思います。
その場合は、心療内科や精神科でお薬を処方してもらって、支障なく日常生活をおくれる状態に改善することが大切です。
ただし、それだけで「根本的な問題」が解決するわけではありませんので、心の内側に「要因」があると気付いているのであれば、カウンセリングを利用し、自分自身の心へ向き合うことが必要なのかもしれません。
今の自分にとって「寝ること(食べること)」が重要なのか、「心を軽くすること」が重要なのかがカウンセリングルームと病院、どちらを利用するべきなのかの判断ポイントの一つです。
『カウンセリングルームこころの羽』岡本教兵