家に入れない!! ~うつ病体験記⑥~ | 札幌のカウンセリング こころの羽

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家に入れない!! ~うつ病体験記⑥~

 

こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングルームこころの羽』のスタッフMです。

前回までのエピソードはコチラ↓
うつ病体験記1
うつ病体験記2
うつ病体験記3
うつ病体験記4
うつ病体験記5

上司に自分の窮状を話した日の夜、少し肩の荷が下りた気持ちになったのか、日頃の疲れからか、コンタクトも外さずメイクも落とさず、電気も消さずに寝落ちしてしまいました。
翌日は休日で、いつもは休日出勤をしていることが多かった私ですが、目が覚めたのは午前10時過ぎ。連休でもあったため、この日ばかりは出勤はやめて、しばしぼんやりとしていました。

ピンポーンと数回部屋のチャイムが鳴りました。よろよろと起き上がりカメラをのぞくと郵便局の人が、何か郵便物を持ってきたようでした。起きたばかりで、顔も洗っていなかった私が、オートロックを解除して郵便物を受け取ることにためらっているうちに、不在と思った郵便局の人がチャイムを鳴らすのをやめ、カメラの接続が切れてしまいました。もう一度来てもらうのは申し訳ないなと思い直した私は、すぐに正面玄関まで下りて郵便局の人を呼び止めました。「ああ、今ね、宅配ボックスの中に入れちゃったから、そこから取ってくれるかな」と言われ、正面の自動ドアを出て宅配ボックスから荷物を取り出しました。そして気が付きました。自宅の鍵を持たずにオートロックの自動ドアの外に出てしまい、自宅に入れなくなってしまったことに…。

「どうしよう…」私は途方に暮れました。顔も洗わず着の身着のままで出てきてしまい、スマホも持っていません。連休のせいか、マンションの住人も出かけているようで駐車場の車もほとんどありません。
絶望的な気持ちになりながら、あてずっぽうに部屋番号を押してチャイムを鳴らし、住人が出てくれるのを期待しましたが、誰も出てくれません。
外は小雨が降っていて、うっすらと寒い正面玄関の中で、自分の行動を思い返していました。

一人暮らしを始めて20年。防犯には人一倍気を付けていて、ゴミ出しの際にも必ず鍵をかけて鍵を持って外に出ることが習慣になっていました。郵便局の人を追いかけようと思った時に、自宅の鍵をかけて出るか一瞬迷いましたが、鍵をかけず鍵も持たずに追いかけることにしたのです。

その後、紆余曲折あって自宅に入ることができたのですが、この出来事は私に大きなショックを与えました。なんてことはない出来事かもしれません。うっかり鍵を持たずに自宅を出てしまったけど、その後、何とか入れたよというような話です。でも、私にはこれまでに一度もないミスでした。自分の行動を振り返ってみると、判断ポイントが何個かあり、ミスが何回も重なっていることを実感しました。たとえぼんやりして疲れていたとしても、これまでは最低限判断できていたことが、できなくなってきている。単なる疲れでは説明できない能力の減退を感じたこの日に、二回目のカウンセリングの予約を入れたのでした。

(次回へ続く…)
 

◆岡本から、ひと言コメント

心の負担を自覚し始めたMさんの日常のエピソードですが、この出来事にもいくつかヒントが隠れています。

「いつも出来ていたことが出来なくなっている」

一見すると誰にでもあることですが、こういった出来事があったときにどのように捉えるかは、とても重要です。

うつ病などの心の病は、早期発見、早期対処が重要なのですが、本人が心の負担を見てみぬふりをしてしまったり、日常と異なる出来事も流してしまったり・・・と対応が遅くなってしまう場合があります。

Mさんの場合は、この出来事をきっかけにカウンセリングの予約をしてくれたことは現在のような回復につながった一番の要因かも知れません。

当カウンセリングルームの場合は、2回目以降のカウンセリング予約をご本人の判断にお任せしています。

初回でスッキリした方は、そのまま日常を送っていただくことになりますし、Mさんのように必要性を感じた時にご予約いただくこともあります。

それらは、ご本人の気持ち次第です。

私の持論ですが、カウンセリングは強制されて利用するものではありません。

カウンセラーは、お話を伺い、心を軽くすることはできますが、相談者さまが持っている問題や課題を直接的に解決してあげることは出来ません。

だからこそ、相談者さま自身が自らの意志でカウンセリングを利用することを「選ぶ」ことが回復への第一歩だと考えています。

私たちカウンセラーに出来ることは、「ヘルプ=助けること」では無く「サポート=支援する(支える)こと」なのです。

助けられた体験は、時にその人を弱くするかもしれません。(「助けられる=自分では出来ないイメージ」が強くなってしまいます・・・)

でも、支えられた体験は、その人の心を強くすることにもつながると私は常々感じています。

支えられながらも自分の力で前に進んでいく体験こそが自分自身の心へ向き合う時に重要なのかもしれませんね(^^)

『カウンセリングルームこころの羽』岡本教兵

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