うつ病体験記~中堅社員・岡本編⑦ 次なる試練~ | 札幌のカウンセリング こころの羽

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うつ病体験記~中堅社員・岡本編⑦ 次なる試練~

こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。

『カウンセリングこころの羽』に在籍する心理カウンセラー自身の「うつ病体験」をもとに様々な角度から分析しつつご紹介するこのシリーズ。

「うつ病体験記〜中堅社員・岡本編」の第七話は、準備スケジュールとしても気持ちとしても“ギリギリ”のプレゼンテーションを終えて、小さな成功体験ができたときのエピソードをご紹介させていただきました。

今回は、その後…また新たな事件に翻弄される若かりし頃の私の失敗エピソードをご紹介させていただこうと思います(^^;

前回までのエピソードを読んでみる→

プレゼンテーションしている心理カウンセラー岡本教兵

◆プレゼンテーションその後…

自分自身の感覚としては「首の皮一枚」というギリギリの立場でかろうじて乗り切ったプレゼンテーションでしたが、その後、急に仕事ができるようになる…などという夢のような出来事が起こるわけもなく…結局、日々の仕事を抱えていくこととなります(笑)

それでも少しだけ変化したこととしては、それまでよりも先輩や上司へ「相談」しやすいような心境になったことや周囲の目が「最低限のことはやるやつなんだな」と思ってもらえているような気持ちになることが多くなりました。
※これは、あくまでも自分の認識なので、本当に周囲が認めてくれたのか、そもそもそれ以前の時点で本当に見放されそうな状態(首の皮一枚)の状態だったかもある種の「思い込み」だったりするのです。

パンクしてしまいそうなボロボロの車

◆担当部門の増加…そしてパンク

当時の勤務先では、若手社員には業務量を増やして成長させるというスタイルが主流だったので、ある程度の流れに対応ができる(会議でのプレゼンができる)ようになった場合には、より業務量が多い部門を任されることが多いのです。

それは私にとっても例外ではなく、その流れに重なり、先輩の一人が仕事やプライベートのストレスが原因と思われる「うつ病」になって最終的に退職に至ったことにより、その方が担当していた部門が私に割り当てられる状況となりました。

前述の通り、他の先輩社員たちが「当たり前」にこなしている会議でのプレゼンもギリギリで乗り切っているようなレベルの私が業務量を増やされると何が起こるのかは当然の流れ…。

数ヵ月としないうちに再び「いっぱいいっぱい」の状態になっていったのでした…。

大事件に焦っている女性

◆大事件勃発

追加された担当部門は、それまでの担当範囲よりも「専門性」が高く、お客様の方が商品に対して詳しい傾向の強いものでした。

商品知識が豊富な上司たちにとっては、「新しく考える要素が少なく、作業的な側面が多い部門なので、岡本でも対応できるだろう」と考えていたのだと思いますが、残念ながら商品知識が0(ゼロ)の状態に近かった私にとっては「当たり前の作業」をやるためにも新たな知識を学ぶ必要が大きく、日に日に頭の理解が追い付かなくなっていきます…。

その結果、お客様の対応窓口をしているスタッフから「この前の確認事項は、どうなりましたか?」「新商品の提案はないんですか?」「お客様にどのように説明したらいいですか?」などと日常的な質問事項が重なっていき、それに対する回答が遅れていくことになるのです(汗)

今振り返ってみてもあの「焦る感覚」は胸がザワザワする気がします(苦笑)

それだけ自分にとっては、ただひたすらに耐える時間だったようにも思います。

この状態を2~3カ月続けた頃だったでしょうか。

重大な事件が発生します。

それは…常連のお客様からの苦情。

商品の販売をしている立場の人間にとっては、苦情やクレームというのはある意味では日常業務に含まれるものではあるので、そこに真摯に対応することで大きなトラブルに発展しないこともあるのですが…。

当時の私は優先順位をつける気持ちの余裕もなくなっており、「日々、目の前の仕事をこなす」(プレゼン前と変わらない対応ですね…(遠い目))状態になっていたため、本来であれば最優先で対応するべきお客様からの「クレーム」についてもメーカーさんに丸投げ(事実上の放置…)になってしまっていました(汗)

今思えば、本当に恥ずかしい話ですし、今の自分自身が「上司」や「先輩」の立場として当時の私を見ていたら即説教レベルの対応なのですが、あの頃はそんな簡単なことにも気づけないほど「いっぱいいっぱい」な状態でした。

最初のうちは商品に対しての「不具合(品質上の質問)」だったので、その連絡を窓口スタッフからもらってからメーカーさんに問いかけていたのですが、数週間返答が来ないうえに私自身も催促せず…。

この状況が長く続いたことにより、「商品に対しての品質上の質問」は「商品やメーカー、本社スタッフへの不満」へ変化していき、最終的には「担当者本人から謝罪させろ」という大クレーム(苦情)へ発展してしまったのです。

(次回へ続く…)

振り返りをしている心理カウンセラー

◆今の岡本が心理カウンセラーの立場として振り返ると…

この当時は完全にキャパオーバーの状態でした(汗)

冷静になれば「当たり前」のことでも気持ちの余裕がない状態では「目の前のこと」をこなすので精一杯。

仕事の優先順位すら決められない状態になっていったのです…。

前回ご紹介した「プレゼン」については、なんとか乗り切れたものの「自分の役割は、自分で対応しないと」というプレッシャーは逆に強くなっており、仕事を抱える傾向は強くなっていきました。

今回の私のように「やること」を抱えすぎて気持ちばかりが焦る状態を心理学では「ゴールコンフリクト」(日本語に訳すと“目的の衝突”)と呼びます。

実際には時間が足りている状況だったとしても複数の「やること」に優先順位がつけられない状態になると「(必要以上に)気持ちが焦る」という状況になる心理状態ですね(汗)

その結果として、実際に手は動いていないことでもっと忙しくなる…という悪循環に陥っていくのです…。

次回は、この大クレームを乗り切っていったときのエピソードをご紹介させていただこうと思います♪

『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵

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