こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。
7都府県での政府からの緊急事態宣言や愛知県独自での緊急事態宣言など、新型コロナウイルス感染症への対策も次の段階に入っている今日この頃。
感染対策と経済対策のバランスも問われる状況で私たち国民の“働き方”も一つの改革が求められている印象を受ける状況になっていますね。
そこで今回は、『コロナ対策を乗り切る在宅ワークの集中力UPテクニック』というテーマで心理学や脳科学視点でのテクニックをご紹介させていただこうと思います。
以前ご紹介させていただいた記事もあわせてご覧いただけますと幸いです。
以前のブログ『在宅勤務・テレワークの落とし穴』を読んでみる→
◆テレワーク・在宅勤務を効率化する2つのパターン
緊急事態宣言の発令により、これまで以上に在宅勤務(テレワーク)を推奨する企業が大企業から中小企業まで広がっているようです。
会社自体にテレワークの規定やルールがある場合は、それに従うことが一番の選択肢になると思いますが、今回の新型コロナウイルス感染症対策として急遽テレワークを取り入れた企業の場合は、規定どころか従業員への支援制度も間に合っていない…という状況が多いのではないでしょうか。
テレビ会議システムは、何が良いのかなど技術的な面は、各企業で努力している部分だと思いますし、私たち『カウンセリングこころの羽』の専門外になってしまうので(汗)
このブログでは割愛させていただきますが…
心理的な側面からの「業務効率化」や「ストレス軽減」についてご紹介させていただこうと思います。
まず、テレワークを効率化させることができるパターンには大きく分けると2種類あると考えられます。
1つ目が「ON・OFF明確パターン」
そして、もう一つが「戦略的公私混同パターン」です。
◆ON・OFF明確パターンとは
これはイメージしやすい方法かもしれません。
「仕事」と「プライベート」を明確に分けることを意識する方法になります。
まず、脳科学の考え方で人の脳は、「場所」と「行動」を関連づけて記憶しているというものがあります。
これは、「自宅」=「くつろぐ場所」「職場」=「仕事する場所」というふうに無意識レベルで場所と自分の行動を関連させて「集中力」や「注意力」のON・OFFを切り替えながら生活しているという人の脳機能の特徴です。
この視点で考えると一番理想的なのは、「生活空間」と「仕事空間」を簡易的なかたちでも良いので変えてみることとなります。
例えば…
・食事をするテーブルと仕事をするテーブルは別の場所にする。
・テレビが置いてある部屋(普段、くつろぐ部屋)と仕事をする部屋を変える。
という物理的な方法も効果的ですし、それも難しい場合には、「目から入る情報を変化させる」という方法で簡易的に「仕事をする場所」と認識させることも有効な方法です。
・テーブルの向きを変える(向いている方角を変える)
・テーブルクロスを使ってみる
・照明を変える
という方法などが視覚的な変化をつくるアプローチとなります。
他にも聴覚へのアプローチとしては…
BGMを変えるというのも有効な方法なのですが、気をつけなくてはいけないポイントがあります。
例えば、音楽に興味がない人にとっては、どんなものをBGMにしても一定の効果が期待できるのですが、音楽好きな人が好きなジャンルの音楽をBGMにしてしまうと「音楽」に集中してしまい、結果として仕事への集中力が低下することになります。
音楽…とくに「歌」が好きな人は、インストゥルメンタルやヒーリングミュージックを使う、歌詞を聞き取ることができない音楽(例えば、英語を話せない方であれば洋楽の曲)を流すなどの工夫が必要です。
視覚、聴覚以外の集中力へのアプローチとしては、嗅覚(香り)へのアプローチで柑橘系の香りは集中力を高める効果が期待できますし、味覚へのアプローチとしては「ガム」を噛むことにより集中力を向上できるという研究もあります。
いずれにしても、様々な方法で「集中できる環境」をつくっていくことがON・OFF明確パターンの基本となります。
また、出来る限り通常勤務に近い行動をとることも効果的ですので、制服(事務服)がある方は制服を着たり仕事用の服装(スーツなど)を着る、女性であればメイクをする、男性であれば髭剃りや髪のセットをするなどの日常通りの身支度をすることもオススメです。
◆戦略的公私混同パターン
こちらは、先にご紹介した「ON・OFF明確パターン」とは真逆の方法になります。
とくに管理職の方や役員、経営者の方にオススメな方法と言えるかもしれません。
一般的に「公私混同」というのは悪い意味で使われることが多いと思いますが、“意図的”に公私混同状態を作るため「戦略的公私混同パターン」と命名させていただきました(笑)
具体的な行動で言うと…
四六時中、仕事のことを考えるということです。
それと同時に、効率が良いのであれば、仕事中にもプライベートのこと(例えば所用を済ませる、家事をする、子供のお世話をするなど)も組み合わせていきます。
もちろん、プライベートのことだけをやっているのであれば、「サボり」ということになってしまうのだと思いますが、そこは捉え方を変化させる必要があるのです。
まず、「仕事の時間」ではなく「成果」「内容」に着目してみるということがスタートになります。
「勤務時間」という視点で仕事をするのではなく、「人生」という視点で仕事をする。
これは、「働いた時間に対して対価をもらっている」のではなく「どれだけ人の役に立っているかに対しての対価をもらっている」と考えるということに他なりません。
普段の仕事は、勤務時間に会社へ行って終業時間になったら帰宅する…というサイクルかもしれませんが、その場合に生み出している「成果」の方に着目をする。
そして、それと同等かそれ以上の成果を出しているのであれば、時間の使い方は、自分なりに仕事とプライベートの切り替えをコントロールしてみるという仕事のスタイルが「戦略的公私混同」です。
<戦略的公私混同パターンのメリット>
- ・自分の行動に制限をしないので効率的に動くことができる
- ・自分の行動を肯定的に捉えることができればストレスが軽減される
- ・通常勤務よりも充実した時間を使うことができる
<戦略的公私混同パターンのデメリット>
- ・ON/OFFの切り替えができないとストレスが溜まる
- ・いつまでも仕事をしてしまうと家族との関係が悪化する
- ・サボっていると思われてしまうと社内の信頼が低下する
私自身の場合は、完全にこちらの「戦略的公私混同」で仕事をしています。
立場上で言うと“経営者”ではあるので、自由といえば自由なのですが、他の在籍カウンセラー(従業員)との関係も大切にしたいので、ある程度、仕事にメリハリをつけているつもりです(笑)
その代わり、『カウンセリングこころの羽』の年中無休を実現させるためにお問い合わせの対応は、365日担当していますし、土日祝日もカウンセリング予約をいただいていればカウンセラーとして仕事をさせていただいております。
これは、この仕事が「好きだから」こそ実現できているな…と思いつつ、サラリーマン時代にも部分的には「戦略的公私混同」という考え方で仕事をしていました(^^;
今では、もう時効だと思いますので少しだけ自白させていただくと…
勤務時間外に取引先さまと打合せしたり、電話で確認をとったり、仕事の予定を考えたり…といった仕事をすることもありましたし、残業時間の調整も兼ねて子供が産まれる前、妻を産婦人科に送り迎えするために中抜けしたり…といったプライベートの対応をさせてもらうこともありました(汗)
もちろん、この辺りは賛否両論あって当然だと思いますが、仕事の成果を誰よりも上げるということを決意していたからこそ、プライベートの事情にも対応させてもらっていた部分がありました。
最近の急激なテレワーク化に伴い、家庭内での準備も整っていなかったり、お子さんの学校が休校になっていることで家事の負担と仕事の負担が重なっていたりという方も少なくないのではと思います。
ON・OFFを明確に分けられる環境の方は、そのパターンで集中力を発揮するのも良し、そうでない方は戦略的公私混同パターンで仕事の成果を改めて考えてみることも成長につながる一つのきっかけかもしれませんね。
あなたは、どちらのパターンで集中力が発揮できるタイプですか?
『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵