うつ病体験記~岡本の父の場合⑤・遺された家族〜 | 札幌のカウンセリング こころの羽

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うつ病体験記~岡本の父の場合⑤・遺された家族〜

こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。

前回のエピソードで「うつ病」になった父を心療内科へ連れて行ったことや期待したサポートが得られず最終的に「自殺(自死)」へ繋がってしまったことをご紹介させていただきました。

今回は、『うつ病体験記~岡本の父の場合~』最終回として後日談も含めた振り返りを書かせていただきます。

うつ病をサポートするご家族の方やうつ病やうつ状態に悩むご本人にも何かのヒントや参考にしていただければ幸いです。

前回の内容はコチラ→

人生の長い道

◆変わっていった人生

父の他界によって遺された家族の人生は大きく変化していったと感じます。

もちろん、これが「自殺」という状況ではなく何か病気や事故などでの他界であっても大切な家族を失うことによる影響は少なくないと思います。

しかしながら、遺された家族の心境という方向から振り返ってみると、やはり家族を自殺で失うことは大きな意味を持つ出来事のように感じます。

私自身の場合、それまでは会社勤めで「将来的には、この会社で役員になる」と公言しているほどの“仕事人間”でした。

元々、“起業”に興味はあったので、20代の頃などには「どんな商売だったら成り立つかな…」などと妄想を膨らませてみることはありましたが、その時点では具体性はなく…今現在の心理カウンセラーとしての自分は想像もできていなかったと思います。

それが、父の死を目の前にしたときに「必要なサポートが得られる世の中だったら…」「うつ病になった父とどのように関わったら良いのか知ることができていたら…」といった後悔の気持ちが生まれたことが「会社員」「サラリーマン」では実現できない目標を持ったきっかけとなりました。

父の死から数年経った今になって振り返ってみると、現在の心理カウンセラーという仕事を“天職”だと感じていますし、日々のやりがいや充実感を持っていることは、どこか“必然”的なものがあったような気持ちになることもありますが、父の死をきっかけとして私自身の人生は大きく変化したと感じます。

家族への影響のなかでは一番大きなものが、私の変化だったようにも感じますが、母も姉も少なからずそれまでの価値観が大きく変化したように見えますし、実際に生活環境を含めた周囲の環境は人生レベルでの変化だと感じています。

心の焦り-時間の焦り

◆乗り越えるための時間

今現在は、私自身も「父の死」が持つ“意味”も変わったと実感する機会が多くなっています。

それは、日々の心理カウンセリングという仕事のなかで出会う人たちの笑顔であったり、「相談してみて良かった」とおっしゃっていただける言葉であったり…ご相談者さまのお力になろうと思ってやっている仕事でありながらもご相談者さまの存在が私自身の心の安定や意欲につながっているという状況を“幸せ”に感じているからこそかもしれません。

父の死がなければ、今の仕事に就くこともなかった…と思うと、それは私の人生ではないような気さえしてしまいます(笑)

それでも、数ヶ月や1年、2年で今の気持ちに辿りついたわけではありません。

医療やカウンセリングなどのなかに“グリーフケア”という考え方があります。

これは、大切な家族や親しい友人などとの死別を経験したときにその事実を受け入れ、その深い悲しみから立ち直っていくことを目指す考え方です。

グリーフケアに関するブログ(byカウンセリングこころの羽・札幌中央店)を読む→

大切な人を失った悲しみは、人それぞれ深さが異なるものだと思いますが、その現実から目を逸らし続けることは回復のタイミングを先延ばししてしまうことにも繋がります。

まずは、ほんの少しでも良いので現実に目を向けること、そのために周囲の方々や専門家(心理カウンセラーなど)にサポートしてもらうことも大切なものだと思います。

私も周囲の仲間たちや心理療法やコーチングを学ぶ研修などへの参加を通じて少しずつ自分自身の気持ちを整理していきました。

最初の頃は、悲観的な側面しか見えていませんでしたが、やがてそれは「使命感」であったり、今の自分の土台を作るための大切な出来事だと感じられたり…と少しずつ変化していきました。

この時間をかけてゆっくりと気持ちの整理をしていったことも今の自分が充実した毎日を過ごすことができるようになった大切な“準備”だったのではないかと感じます。

ハートと鍵

◆うつ病による自殺(自死)を予防するために大切なこと

最後に家族をうつ病による自殺で失った当事者として重要だと感じたポイントをまとめさせていただきます。

夕日の海辺-母親と娘

1つ目が「距離感」です。

うつ病やうつ状態になったとき、その方の価値観によっては「ほっといてくれ!」「私(俺)に構うな!」という言葉をぶつけてくるような場面もあるかもしれません。

うつ病からの回復には「ストレス」とどのように付き合っていくかが重要ですので、「一人になりたい」という気持ちを尊重する場面も大切ではあります。

ただ、その時に「一人の時間」を確保してあげることは必要かもしれませんが「孤独な時間」にはしないことが大切だと今は実感しています。

仮に離れているときでも「あなたを大切に思っています」「必要なときには側にいるからね」という気持ちをしっかりと伝えておくことは、すごく大切なのです。

“家族”と言っても、それぞれ異なる価値観をもった“個人”の集まりです。

「分かっているだろう」では、「まったく伝わっていなかった」ということになってしまうことも多いのではないでしょうか。

過剰にかかわり過ぎてしまうことは確かに相手のストレスになりますが、離れ過ぎないためにも気持ちを言葉にすることは大切です。

助け合う友人

2つ目が「迷惑ではないことを伝える」ことです。

これはうつ病に限った話ではないかもしれませんが、自分自身が弱ってしまったときに「家族に迷惑をかけて申し訳ない」と感じてしまう方は多いのではないでしょうか?

私の父の性格を振り返ってみると…うつ病での自殺は、「仕事が苦しかったから」でも「人生に絶望したから」でもなかったように思えます。

「家族に迷惑をかけている自分を許せなかった」というのが一番可能性が高い気持ちだと思いますし、「自分がいなくなることで家族が救われる」と思い込んでしまったことが最後の決め手になってしまったのではないかと思うのです。

このブログを読んでいる“あなた”がどのような気持ち(悩んでいる当事者なのか、その方のご家族なのか)は分かりませんが、一つだけ言えることはあなた自身が考えている以上にご家族や周囲の方などで「あなたを大切に想っている人」は多いのではないかということです。

実際に遺された家族としては、私の父が選んだ選択も一つの選択肢だったとは思いますし、仮にそれが「最善」の選択肢だったとしても、一緒に苦労したかったな…ということです。

その苦労の先に家族で笑い合える日が訪れたとしたら…それは、どのような体験にも勝る家族の絆を実感できる体験だったのではないかと今でも思います。

「うつ病」は、気分性障害という分類からも予想できる通り気持ちが落ち込むと周囲への影響も少なくないものだと思います。

その結果として周囲の家族の方が「言い過ぎてしまうこと」もあるかもしれません。

それでも、その言葉が本心、本音なのでしょうか?

もし仮に家族からの理解やサポートが得られなかったとしても、他にあなたを大切に想っている人は一人もいないのでしょうか?

友人、恋人、上司、部下、後輩、恩師…

誰か一人でも思い浮かぶ人がいたとしたら、これからの人生であなたを大切に想ってくれる人は増やすことができるのだと思います。

カウンセリングをしている女性カウンセラー

3つ目が「複数の専門家に頼ること」です。

これは、心療内科や精神科病院もカウンセリングルームもそうかもしれませんが、1ヶ所だけに頼って「ダメ」だったから「全部ダメ」ではなく、納得のいくまで、自分に合うと感じるサポート役のプロに出会うことを諦めないで欲しいと思うのです。

心療内科などの病院が良いのか心理カウンセリングなどによる心理療法が良いのかは、症状の内容によっても異なる部分ですので、一概には言えませんが、少なくとも「セカンドオピニオン」や「医師と心理カウンセラー」という視点は忘れないことが大切です。

どんな出会いがあなたやあなたのご家族が変わっていく“きっかけ”になるのかは、誰にもわかりません。

だからこそ一度の体験で決めてしまうのではなく、様々な選択肢を持つことを意識していただくことが大切なのではないかと心から思います。

今回のブログは、私自身の“心理カウンセラーとしての土台”に深く関わる部分でしたので、かなり長文になってしまいましたが、最後までお読みいただき本当にありがとうございます。

私自身、学び続けることこそが皆さまのお役に立てることに繋がるものと考えております。

これからも沢山のご相談者さまと一緒に一歩ずつ前に進んでいければと考えておりますので、私がお力になれることがあれば遠慮なくご相談くださいませ(^^)

P.S.

現在、『カウンセリングこころの羽』では、カウンセリングプランや内容についても、より“質の高い体験”をしていただけるよう色々と準備を進めておりますので、楽しみにしていてくださいね(^^)v

『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵

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