カウンセリングの原点が芽生える~カウンセラー過去を振り返る④~ | 札幌のカウンセリング こころの羽

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カウンセリングの原点が芽生える~カウンセラー過去を振り返る④~

こんにちは、『カウンセリングこころの羽・札幌篠路店』心理カウンセラーしみずこうこです。

創成川沿いのサイクリングロードを通ってみたくて、先日は自転車に乗り3キロ程度離れたスーパーまで買い物に行ってみました。
川とポプラ並木に囲まれた、真っ直ぐに伸びるサイクリングロードは、予想通り気分爽快です。

創成川サイクリングロード
◆しみずの初上司は

前回は社会人しみすの『弱点と強み』の記事でした。
今回は、当時の『上司から受けた影響』についてのお話です。

初職場は、様々な案件を持っている男性社員に一人女性補佐が付くという体制。
私が補佐についた男性社員は当時40歳、その部署では2番目の立ち位置の方でした。
皆さんがイメージしやすいように芸能人に例えると、『アクを抜いた香川照之』と表現するといい感じかな。
小柄で白髪交じりのモッサリとした髪型、ワイシャツネクタイの上に作業服を羽織り、現地調査や打合せにといつも忙しそうでした。

私が入社した時も繁忙期で、入社日に一度顔を合わせた後しばらくは、一週間に1回会える程度でした。

そのころ周囲の方々に、「新しくカガワさんにつく人?カガワさん悪いひとじゃないんだけどねぇ…頑張ってね」と、何か含んだ言い方をされることが度々ありました。
悪意を持った言い方ではなく、心から「がんばれよ」の意味を込めての言葉、そう受け取っていましたが…。

でも「新入社員の私に、わざわざそんな事言うってどゆこと?カガワさんて一体どんな人?癖が強め?」と、不安がむくむくと湧いてきます。
技術者

◆『人』に対する評価はそれぞれ

ただ私はバイト時代の経験で「他人の『人』に対する感じ方と、私が『人』に対する感じ方は同じとは限らない」ことに気が付いています。

人の『人』に対する評価はそれぞれ。
周囲の意見に振り回されず、「自分自身が、見て聞いて感じたことを信じればいいハズ、バイトしていた時もそうだったよね」。
そう自分に言い聞かせ、必要以上の不安な感情を持たないよう心掛けました。

ひと月ほどして会社に慣れたころ、出張が落ち着いたカガワさんは社内で仕事をするようになっていました。
カガワさんの社内の人への接し方、それはズバリ『直球』でした。

部署で抱えている案件の進捗状況を確認し、担当者へ「どうしてここはこうなるの?その根拠は?それの定義は?」と直球の質問攻め。
納得できる根拠がなければバッサリ『作り直し宣告』。
設計の技術的なことは私には不明でしたが、カガワさんの言うことは的を得ていたようです。
皆さん「だからカガワさん出張から帰ってくると嫌なんだよな~」と、冗談交じりのボヤキを返しながら、仕方なく作り直しをしていました。

周囲の方の『カガワさん苦手』の原因は、この『質問攻め』と容赦ない『作り直し宣告』が原因だったようです。

技術的な仕事には根拠と定義が前提、もちろん不明点を事前に確認したり相談すればそれは丁寧に教えてくれます。
だけど、経験が浅いと事前確認も何を相談すればわからなく、なんとなくの『見切り発進』をしてしまいがち。
人によっては「最初に教えてあげればいいんじゃない?」と、批判もありましたが「社会人なら自分で考えて、自分から行動しなさい」と、先回りをして指導をすることはしない人でした。
確かに厳しい人ではありましたが、私や部署内のスタッフは、『理不尽な厳しさ』ではないと受け取っていました。

◆質問に対する意識

質問魔のカガワさん、日常の些細なこともよく質問をしてきます。

慣れていない新入社員の私は、「どうしてこうしたの?」と聞かれるたびに怒られているのかと思い込み、「すみませんよくわからなくて」「すません、こうしてはダメでしたか」と、謝ってばかりいました。
「別に怒っているわけでなく、何故こうこさんがこうしたのかを聞きたいだけだよ」と、何度も言われるうちに、「ただ、理由を知りたいだけなんだな」と分かりはじめ、私も純粋に理由を伝えようと心掛けるようなっていったのです。

投げかけられた質問を受けてとめ、考え、自分の意見を伝える。
「なんとなくしていた行動」の裏付けに焦点を当て、そこに自分なりの価値観からくる理由が浮かんでくる。
それを言語化して人に伝えることは難しくて面倒と思うこともある。
でも、自分の新しい発見、価値観共有による他者理解、コミュニケーションの深まり、それは私には心地よいことでした。

質問を『不躾』と感じてしまい、『カガワさん苦手』となっていた人もいたようですが、私は質問が嫌ではなかったのです。
仕事の場面では、『考える』『不明点は質問する』『行動する』、日常では『質問』されたことは自分で消化して『言葉で伝える』。
これらのことを意識するようになっていきました。

◆人への興味の芽生え

2年でその会社を退職し、その後たくさんの人と出会います。
自分より若い方との出会いもたくさんありました。
いつしか私も新人で入社してくる後輩に、よく『質問』をする先輩になっていたのです。

質問による自己理解、他者理解。
言語化による価値観の共有。
人と人とのコミュニケーションの原点や人間の内面への興味。
そんなカウンセラーの原点が、カガワさんとの出会いで芽生えたのかもと、思い出してみました。

『カウンセリングこころの羽・札幌篠路店』心理カウンセラーしみずこうこでした。
庭のカエル

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