こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。
12月に入り、いよいよ2020年も残り僅かになってきましたね。
年末といえばサラリーマン時代から毎年恒例になっていたのが「年末調整」。
私自身も含めてですが…恐らく「得意」「好き」という方よりも「苦手」「嫌い」という方のほうが多いのではないでしょうか(汗)
今回のブログでは、この「年末調整」を具体例として「先送り(先延ばし)」になってしまう心理状態や対処方法についてご紹介してみようと思います。
◆人の心=脳が持つ2つの本能
まず、前提になってくる考え方としては、人の心のなかにある「本能」が2パターンに分かれるというところになります。
人の心は脳の中でつくられているというのが脳科学の視点からの基本ですが、脳には様々な機能があります。
心臓を動かすことや呼吸をすることなどの生きるための基本的な機能はもちろんのこと、勉強をしたり仕事をしたり、人と会話をすることや運動することなど能動的、自主的に動くことができるのも脳の働きによるものです。
このように少し考えただけでもかなり多くの機能を持っているのが「脳」の特徴であり、人間関係のコミュニケーションや目標達成、問題解決などの複雑なモノゴトを考えることができるのも脳の特徴です。
しかしながら、その複雑な考えを生み出せることが時としてモノゴトを「複雑に考える」ことにつながってしまい…目の前にある解決策や自分自身の本心、本音に気付きにくくなることも多いものですよね?
そこで、ここでは脳の中にある「偏桃体(へんとうたい)」と呼ばれる部位の働きに注目して考えていこうと思います。
◆偏桃体が持つ働きその1「苦痛を避ける」
人は生きるためには危険を避け、生存確率の高い選択肢を選び続ける必要があります。
これを実現するための本能が「苦痛を避ける」こと。
別の表現だと「嫌いなものを避ける」ということになります。
もちろん、この本能に従うことが人としての生きる道…ということではなく、本能的に感じた「苦痛を避けること」や「快楽を求めること」を理性的な脳(前頭葉)などの働きによってコントロールしながら、実際の行動に移していくわけなのですが、根本的なスタートは「本能」(苦痛を避けるor快楽を求める)となります。
◆偏桃体が持つ働きその2「快楽を求める」
そして2つめの本能が、「快楽を求める」こと。
人は「個」として生きるだけでは種の保存にはつながらず、いつかは絶滅してしまいます…。
これを防ぐためにも子孫を残すことや日々の充実を得るために「快楽を求める」という本能もあわせ持っていると考えることができますね。
このように脳のなかでは常に2つの本能のどちらに分類されるのかを0.1~0.2秒という一瞬の間に感じとることで目の前にあるモノゴトを「やりたい」か「やりたくない」かを感じ取っているのです。
◆あなたにとっての「年末調整」は…?
ここからが今回のブログの本題ですが(笑)
あなたにとって「年末調整」は「快楽」でしょうか?それとも「苦痛」でしょうか?
私にとっては間違いなく「苦痛」です(笑)
日々の仕事が終わった後に小さな欄に細かい記入をし…よくわからない計算方法に則って自分に当てはまる条件を見つける…。
「できる」か「できない」かというよりも「やりたくない!」という気持ちがわいてきてしまうんですよね(汗)
前述したとおり前頭葉(理性的な働き)で「やるべき」という解釈で行動することもできるのですが、これも負担が大きい場合には実行することが難しくなってしまうのです…。
何かを「やらなければいけない」という状況のときに「先送り(先延ばし)」になる典型的なパターンは、今回ご紹介した「苦痛を避ける」方の本能が働いていて行動を抑えてしまうというものです。
このパターンに陥っているときには「快楽」の方を意識してみると行動しやすくなる傾向がありますので、是非お試しください(^^)v
(例…年末調整するとお金が戻ってくる!、早めに終わるとその後の気分が楽、早く提出すると上司からの印象が良くなる…などなど)
あなたは苦手なことに取り組むとき、意識していることはありますか?
『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵