うつ病体験記〜中堅社員・岡本編② 抜擢と挫折と葛藤〜 | 札幌のカウンセリング こころの羽

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うつ病体験記〜中堅社員・岡本編② 抜擢と挫折と葛藤〜

こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。

様々なシリーズで投稿させていただいている『うつ病体験記』

今回は、中堅社員・岡本編ということで、私自身のサラリーマン時代(20代中頃)の体験をご紹介させていただきます。

前回は、概要を書かせていただいたので、いよいよ今回からが本編スタートです。

どのような失敗体験や成功体験が今に繋がっているのか、その後の成長に繋がったのか…

会社員として働く方々にとって何かのヒントにしていただければ幸いです。

抜擢された人

◆大抜擢からの大挫折

私が20代の頃勤めていた会社は、小売業がメインだったため入社当時は店舗での販売を担当していました。

その頃もサービス残業が当たり前な時代だったり、仕事を覚えるためには「通し」(朝8:00〜夜9:00まで働くこと)が当たり前とされている状況だったため、仕事のことを考えるだけでお腹が痛い日々を過ごしていました。

それでも「うつ病」や「抑うつ状態」には至っていなかったのは、良くも悪くも責任感が低かったのかな…と思えます(^^;

そんなある日、私の運命を変える出来事がありました。

それは、「新規事業(インターネット通販)責任者」の社内公募。

怖いもの知らずだった若かりし頃の私は、この社内公募に手を挙げたのです。

後に知ったのが、この社内公募に立候補したのが“私一人”だったそうです(笑)

この事実が、私が勤めていた会社における「新規事業」を担当するハードルの高さを物語っていますよね…(汗)

社員として入社したばかりだった私は、そのことも知らずに「面白そう!自分ならできそう!」という根拠の無い自信で飛び込んでいったのです。

その結果、どうなったかというと…

大抜擢から“1ヶ月”で解任でした(笑)

今振り替えると「当たり前」だと思えるのですが、当時は、この“挫折”に対して「なぜ、もっと猶予をくれないんだ?!なぜ、誰も助けてくれないんだ?!」と自分自身のなかで不満を爆発させていました…。

この段階でも「うつ病」「抑うつ状態」というよりは、「落ち込んでいる」という程度の状態だったと思います。

新規事業の責任者を解任されて新たに任されたのが、2つの部署を兼務する「見習い」。

それまで「新規事業の責任者になるんだ」と意気揚々と乗り込んだ本社で1ヶ月後には「見習い」に降格される…当時の私の仕事レベルの低さを物語っている出来事です。

不安定な矢印

◆“見習い”という不安定な立場が「うつ」に向かわせた

今振り返ってみても、この“見習い”が一つの部署に限定されていれば、まだマシだったと思います。

それが実際には、「新規事業の部署(インターネット通販)」での“見習い”と「商品の仕入れ担当(バイヤー)」での“見習い”の2つを兼任することとなったため日々、「不安定な自分の立場」に苦しむこととなります。

そして、この時点で入社から数年経っている段階かつ店舗での業務はそれなりに対応できると思っていたので私にとって“見習い”という立場は屈辱以外の何物でもありませんでした。

実際には“「プロジェクト」を動かす実力がなかったのに”です(笑)

実力があるかないかというのは、良い場合も悪い場合も意外と自分自身では分からないものかもしれません。

とくに新しい仕事を担当する場合だと「実績」があるわけでもありませんので、より分かりにくい状況なのではないでしょうか。

当時の私が「うつ」に陥るのは、この出来事の数ヶ月先でしたが、この2つの部署にまたがる“見習い”という立場が「うつ」に向かうきっかけの一つになったことは間違いありません…。

(次回に続く…)

心理カウンセリングのイメージ-2つのクエスチョン

◆今の岡本が心理カウンセリング視点で振り返ると…

この状況は、心理学の『自己実現理論』に当てはめると非常に“自然”な流れ(心境)であることがわかります。

この『自己実現理論』は、アメリカの心理学者アブラハム・H・マズローが提唱した理論で、人の心の欲求を5つの段階に分け、下の段階が満たされると、その一段階上の欲求が現れやすくなるというものです。

当時の私は、社会的欲求・帰属の欲求が不安定な状態=自分の居場所がよく分からない状態になっていたため、その一段階下の「安全の欲求」まで下がっていました。

その結果、本来であれば降格されていても「クビ」にはなっていなかったので「雇用の安全」は事実としては守られていたものの、心理的には「いつクビになってもおかしくない」「雇用は守られていない」と思い込んでしまいどんどん不安定な状態になっていったのです。

この上の段階の欲求から低下していく流れが「うつ」に陥る場合の一つの代表的パターンだと言えます。

次回は、“見習い”からの脱却とその後に陥った「抑うつ状態」その時の心境について書かせていただく予定です(^^)

『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵

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