自動車運転のマナーを心理カウンセリングの視点で考えてみる | 札幌のカウンセリング こころの羽

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自動車運転のマナーを心理カウンセリングの視点で考えてみる

こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。

突然ですが、あなたは自動車の運転をするとき「信号の無い歩道」で歩行者がいた場合に横断歩道を渡りきるまで車を一時停止させますか?それともタイミングによっては、先に横断歩道を横切ってしまいますか?

この質問への回答は、人それぞれ異なるかもしれませんが、『道路交通法』の記載から考えると「歩行者が横断歩道を渡りきるまで一時停止する」が正解ですよね。

「そりゃそうだ」と思う方も「それは分かっているけれど時と場合じゃない?」と思う方もいるかもしれません。

なぜ、突然このような話題を書いているかというと…

横断歩道の信号機

◆横断歩道で止まらない車は8割以上?!

先日、朝のニュース番組を眺めていると信号のない横断歩道で止まる車は全国平均で17.1%程度しかいないのだそうです(汗)

都道府県別なので、札幌がどの程度なのかは不明ですが、調査を行ったJAFによると北海道としては、24.6%が一時停止していたとのことですので“マシ”な方かもしれませんが、7割以上の車が歩行者がいてもそのまま通過していると考えると自分自身が徒歩で移動するときや家族のことを想像すると不安を感じてしまいますね…。

ちなみにワースト3は「三重県:3.4%」「青森県:4.4%」「京都府:5.0%」となっており、調査時に95%以上の方が一時停止せずに通過してしまったということですから交通事故がなくならないことも妙に納得してしまう結果だと感じました。

横断歩道の前で待つ人たち

◆そんな中でダントツに良い結果が出たのは…

前述の通り非常に厳しい(良くない)結果が全国的にも出てしまった調査ですが、全国のなかで唯一、7割弱のドライバーが一時停止をしている都道府県があるのです。

それが…「長野県」。

一時停止したドライバーは68.6%なのだそうです。

ここまでの内容だとカウンセリングルームのブログなのに、無関係な話題じゃない?と感じてしまう方も多いかもしれません(苦笑)

が、ここからが心理カウンセリング視点を組み合わせた内容になりますのでご安心ください(笑)

一旦、長野県の話題に戻りますが、長野県で「なぜ」他都道府県と比べて一時停止する車が多いのか…というと、歩行者が一時停止してくれた車に対して「お辞儀(お礼)」をすることがマナー教育の一環として徹底されているのだそうです。

そういった教育を受けた方たちが大人になっていくと自分自身も横断歩道では一時停止しようという気持ちに自然となるのではないかということがTV番組内では語られていました。

パズルをする人-心理カウンセリング視点のイメージ

◆心理カウンセリングの視点では、どのように考えるのか

実は、この話題を見かけたときに連想したのが『行動分析学』における「好子(こうし)の原理」という考え方です。

この好子の原理というのは、人が何らかの行動をとった直後に体験するとその行動が「強化」される=繰り返しやすくなるという考え方になります。

例えば…

  • ・偶然買ったお菓子が美味しかったから、また買う
  • ・家の手伝いをしたら親が褒めてくれたから、また手伝う
  • ・ゲームの対戦で勝ったのが嬉しかったから、またゲームをする などなど

この『好子の原理』に関する詳しい内容は、『公立はこだて未来大学』さんのホームページも分かり易かったのでリンクを貼っておきますね♪

『好子の原理』参考サイト

行動分析学は、心理カウンセリングの他にも保育や教育の分野でも広く活用されているものです。

とくにこの「好子の原理」は意識して物事を見てみるだけでも「なるほど、その行動の直後に好子があったから行動が強化されたんだな…」と分析することができ、「効果的な褒め方」や「効果的な接し方」を論理的に自覚することができるため私が担当させていただくカウンセリングのなかでも活用する機会が多くあります。

心理療法の一つである『認知行動療法』(行動療法)にも組み合わせて使うことで効果を上げられる考え方でもあるのです(^^)

今回の「信号のない横断歩道で一時停止するのかしないのか」というテーマは、日常生活のワンシーンですが…一時停止した直後に「歩行者からのお礼」という「好子」を自然と体験している長野県の方々が一時停止している確率が圧倒的に高かったというのは非常に印象的でした。

一時停止率が低かった三重県では、警察による取り締まりを強化して対応しているようですが、実際に取締りができる件数としては限界があると思いますので、規制を強化するだけでなく長野県のようにマナー教育に力を入れることも世の中を良い方向へ向かわせるための大切なきっかけになるのかもしれませんね。

今回のブログは、一時停止しない方へ注意指摘することが目的ではありませんが、実際に警察の方がその場面を目撃した場合は道路交通法違反となり3ヶ月以下の懲役か5万円以下の罰金、そして1万円前後の反則金が課せられることとなりますので、交通事故を予防するためにも自動車の運転をする機会のある方は気をつけていきましょう&私自身も気をつけます(^^)

『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵

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