こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。
最近、TVを観ていると連日「新型コロナウイルス」「肺炎」の話題が多くなっていますね(汗)
私たち『カウンセリングこころの羽』としてもご相談者さまに安心してお越しいただけるように手指の除菌やテーブル・椅子などの備品類に至るまで除菌や洗浄にいつも以上に気を配っております。
そんな「不安」が膨らみやすい今日この頃ですが、先日観ていたTV番組の中で印象に残った言葉がありました。
◆「正しく恐れる」
これは、新型ウイルスに対してコメンテーターの方がおっしゃっていた言葉です。
私たちが運営しているカウンセリングルームは「病院」ではありませんので、もちろん新型コロナウイルスに関する目新しい情報は残念ながらご紹介できませんが、この「正しく恐れる」という視点は心理カウンセリングをご利用いただくご相談者さまのなかでも比較的多いご相談内容である「うつ病」にも共通しているのではないかと感じました。
そこで、今回のブログでは、この「うつ病」について様々な視点から考えてみようと思います。
「うつ病」や「うつ状態」には、「ストレス」が重要なキーワードとなりますが、正しい対処方法や正しい情報を知らないと「漠然とした不安」を感じやすいものでもあります。
正しい情報を知って、「正しく恐れる」ことを大切にしていきましょう。
◆うつ病やうつ状態の何が恐いのか
そもそも「正しく恐れる」ためには、うつ病やうつ状態になったときに何が恐いのかを整理しておく必要があるかもしれません。
一般的に「病気」と呼ばれるものは、何らかのデメリットや日常生活の不便さを生じさせることは想像しやすいと思います。
その一方で「うつ病って、心の病なのは分かるけど、実際のところ…自分がなってしまったらどうしたら良いの?身近な人がなってしまったら、どう接したら良いの?」という疑問も持ちやすいのではないでしょうか。
これは「こころの病」と呼ばれるものに共通したことかもしれませんが、心や脳の病気は他者からは「見えない」ため、実際の苦しみや不自由さを理解しにくいという点が体に関する病気との大きな違いだと感じます。
(「目に見えない」という点では、これもウイルスの脅威との共通点かもしれませんね…汗)
「辛い」「苦しい」と言っても、その感じ方は人それぞれ異なるため、「正しく理解すること」が非常に難しいのです。
その結果として、「気の持ちよう」「もっと頑張らないと」「前向きになろうよ」などと、本人の苦しみを無視したような声掛けをしてしまうことも少なくないのではないかと感じます。
自分自身がうつ病やうつ状態になった場合には、気分の波に振り回され過ぎずに「ストレス」へ着目しつつ原因とその対策へ意識を向けていくことが大切です。
ご家族や身近な方がうつ病やうつ状態になった場合には、まずはその方の気持ちに寄り添うこと…具体的に言うと「否定」をせずにしっかりお話を聴く(傾聴する)ことが大切となります。
「原因」と「対策」がしっかり意識できたときには、うつ病特有の漠然とした不安や恐怖心が軽減される可能性も高いのではないでしょうか。
◆ゴールをどこに設定するのか
次に大切なポイントは、「うつ病」「うつ状態」からの「回復」におけるゴールをどこに設定するのかという点です。
心療内科や精神科病院で医師に相談する場合も心理カウンセリングでカウンセラーに相談する場合も「ゴール」を何にするかを共有していくことは非常に重要です。
例えば、ご相談者さまにとっての「ゴール」が「毎日を活き活きとモチベーションの高い状態で働けること」だったとします。
そして相談する場所が心療内科だった場合には、残念ながらその目的を達成することが難しいかもしれません…。
というのも、もちろん「心療内科は意味がないですよ」という批判的な意味ではなく、そもそも心療内科の役割や得意分野は、「不安」や「不眠」「気分の浮沈み」といった“症状”をお薬の処方によって軽減することだからです。
「心が苦しい」「不安が消せない」といった状態を「軽く」することはできるかもしれませんが、「活き活きと活動すること」や「モチベーションを上げること」はお薬の力では難しいものかもしれません。
飲むだけでモチベーションが上がる薬があるとしたら、なんだか危ない薬のような気がしてしまいますよね(汗)
(モチベーションアップなどは、心の状態をコントロールすることが大切ですので、この分野は心理カウンセリングやコーチングの得意分野となります)
上記の例えは極端な例ですが、他にゴールになることの多い例をあげさせていただくと…
- ・会社(学校)に行けるようになること
- ・気分の落ち込みを解消すること
- ・夜眠れるようになること
- ・ストレスの原因を自覚すること
- ・人間関係を改善すること などなど
これらは、ほんの一例ですが、ゴールを共有することでサポート方法が変わって来ます。
◆「うつ病」を正しく恐れること…まとめ
いかがでしたか?
「うつ病」や「うつ状態」と言っても、原因は十人十色…。
原因が異なれば効果的な対処方法も全く違ってくるのです。
そのことを理解しておいたうえで自分自身の心に向き合うことが回復への一番の近道ではないかと感じます。
気分が落ち込んでしまい自分自身で気持ちをコントロールできなくなってしまうと今までの自分が思い出せなくなるくらい不安になったり、未来が暗いものに感じたりすることもあるかもしれません。
早期回復には、早期発見&早期対処が重要です。
これも一般的な「病気」と一緒かもしれませんが、「あれ?何かおかしいぞ…」と感じたら、早めに専門的な窓口(心療内科やカウンセリングルームなど)へのご相談をご検討くださいね(^^)
『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵