こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。
突然ですが、「レジリエンス」という言葉を聞いたことはありますか?
カウンセリングこころの羽では、あまり専門用語を使うことを好まないため心理カウンセリングの中で「レジリエンスが…」などと説明することはほとんどありませんが、少しずつ目にしたり耳にする機会も増えていると感じますので、今回は、この「レジリエンス」について少しご紹介してみようと思います♪
◆レジリエンスとは…?
この「レジリエンス」は「自己回復力(復元力)」という意味の言葉で、心理カウンセリングの業界の中でも有名な公認心理師(臨床心理士)も著書やセミナーのテーマに選ぶことが最近増えているように感じます。
もともと人の心はストレスを感じることが前提に作られているものです。
どれほど幸せな環境にいてもストレスは多かれ少なかれ“必ず”と言っても良いほど感じるもの…
このストレスを感じている状態が長く続いたり、強いストレスが重なったりすると何らかの「症状」が心身に現れてきます。
でも、この「症状が出た」からと言ってすぐに「病気」と診断されるわけではありません。
時間経過に伴い自然と回復していくのであれば、心療内科や精神科病院に行く必要はない場合もありますし、通院したとしても経過観察や漢方薬などの処方で様子を見る…という結果になることもあるのです。
この場合、例えば気持ちの落ち込みだと、「うつ病」ではなく「うつ状態」と診断される可能性が高くなります。
このように客観的な「症状」だけを見ると「自分は病気なのではないか…?」と疑問を持つこともあるかもしれませんが、心が折れることや落ち込むことを「ダメ」とするのではなく、「自己回復力」に注目をして自分自身が本来持っている力を高めていく…そんな考え方が「レジリエンス」です。
※どうしても気になる「症状」がある場合は…
参考サイト:『こころの病気を症状から知る』(厚生労働省・みんなのメンタルヘルス総合サイト)
◆どうすれば自己回復力は高まるのか
このブログでこれまでにもご紹介してきた方法も含みますが、その土台となる基本的な考え方が大切だと感じます。
それは…「心が折れたり、落ち込んでも最終的に回復していけば大丈夫」という考え方。
「終わりよければすべて良し」という言葉もありますが、一時的に落ち込んだり、心が折れる状態になった場合、当事者としては「こんなことで落ち込んじゃダメだ」「早く回復しないと」などと考えることもあるかもしれません。
しかしながら、落ち込むことは毎日を頑張っている人だからこそ訪れるのかもしれません。
「だったら頑張らないほうが良い」という考え方も一つかもしれませんが、そもそも「落ち込むこと」は本当に悪いことなのでしょうか?
映画やドラマ、アニメ、小説や漫画など、世の中に広く受け入れられる作品は、主人公の「挫折」や「失敗」は必ずと言っていいほど訪れます。
この「辛い体験」自体が観る者の心を共感させたり、感動させる重要なポイントなのではないでしょうか。
もちろん、このあたりの捉えかたは人それぞれの価値観によっても異なる部分ですし、その考え方を押し付けるつもりもありませんが、「落ち込むこと」「心が折れること」は、それ自体は悪いものでも恥ずかしいことでもなく、「自然な心の状態」であるという考えが「自己回復力」を発揮するうえで大切な土台になるように感じます。
自分自身に対して否定的に考えることは、想像以上に様々な場面で影響があるものです。
自己回復力を高めるためにも落ち込んでしまう自分自身のことも受け入れてみませんか?
『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵