こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽』のスタッフ小田です。私は、以前、うつ病体験記を20話連載させていただきました。
〜うつがギフトなんてまだ言えない〜、略して「うつギフ」という表題は、闘病中に思っていた言葉です。
これまでの自分の考え方だと、うつ病になったことで気がづいたことや出会った人も多いから、これはギフトだったんだと意味付けを行うことが多かったけど、そんなことを思えないくらい今は苦しいし、そんな考え方自体、今はしたくない。苦しいものは苦しいし、あとあといい感じになんて、できなくてもいい。いつかギフトだったと思える日が何年後かには来るかもしれないし、ずっと来ないかもしれない。それでもいい。うつがギフトなんてまだ言えないし、言わない。
という思いから浮かんだ表題です。
「うつギフ」は、うつ病で療養中の方、最近ふとした時に涙が出てしまう方、ご家族、友人、同僚など、大切な方がうつ病又はうつ状態になっていて、このブログにたどり着いた方に向け、小田がうつ病療養中に、日々感じていたことを当時の日記を読み返しながら、コラム形式でつづっていきます。
(ああ、無邪気に眠りたい 小田撮影)
◆あなたは全然休めてない
これは、実際に小田が療養中にある人から言われた言葉です。岡本さんとのカウンセリングも終盤を迎えた頃、道外の施設で一週間ほど静養していた時のことです。
その施設は、人気がある断食施設で、体力に応じて断食又は養生食をいただきながら、温泉に入ったり、マッサージ、ヨガ、散歩などを体調に合わせて行い、規則正しい生活を送りながら身体も心も休ませることができるので、ダイエットだけではなく、さまざまな目的で全国各地から訪れる人が多い、人気の施設でした。
小田は、10年以上前にこの施設で断食を行なったことがあり、その後も他の施設で「ヨガ断食合宿」や、専門家の指導を受けながらのファスティングを行なった経験がありました。その時に、色々な気づきがあったり、自分と向き合うことができたので、主治医に静養場所として相談したところ、初めてではなく行ったことがある場所で、刺激が少なく静かな場所ということでOKが出たのです。体力的な問題もあったので、断食ではなく食事をいただきながらの養生食コースで、自分としては、無理なくゆったりした毎日を送っているつもりでした。
夏休みでもない時期に、この人気施設で過ごせている。「時間」「しなければならないこと」「音」から切り離された世界。
ああ、ありがたい、こんなのって今だけだよね、ここでの静養、この経験を回復に生かさねば…。
(休んでいるように見せかけての…小田撮影)
◆休みビギナー
そんな私の姿勢を遠くから見ていた人がいました。その人は、うつ病で仕事を休職してから1年以上経過したという、30代前半の女性で、ここでの療養を終えたら復職の準備を行うと言っていました。その人とお話ししたのは、ほんの少しだけだったのですが、その少しの会話で「あなたは全然休めてない」と言われたのです。
当時は、「仕事もせずに、こんなに休んでいる私をなぜ?」「いったい、私の何を見て休んでないと思うんだろう。」と疑問でした。
なぜそう言われたのか、今ならとてもよくわかります。「休む」ということがどういうことなのか、うつ病の回復にとても大切なこのテーマを、頭で考えるだけではなく、実践することの難しさを小田はとことん味わうことになるのです。
みなさんにとって、「休む」ってどういうことですか?本当に「休めて」ますか?
『カウンセリングこころの羽・札幌本店』小田真実