こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。
突然ですが…あなたは、「あとで」という言葉を聞いたときに「どれくらい後」を想像しますか?
もちろん前後の会話の内容にもよりますが…私の場合は、数時間後を想像することが多いようです。
今回は、この「あとで」という言葉から気付いた我が家での“小さなすれ違い”を具体例として、日常生活におけるコミュニケーションについて考えてみようと思います♪
◆夫婦間でも違った「あとで」の意味
これは、私が妻と結婚した当時の出来事。
妻は栃木県出身で、結婚を機に札幌へ引越して来たのですが、このエピソードは、その引越の直後だったと思います。
就寝準備ができて、世間話をしていたときに札幌に数店舗ある『コーチャンフォー』さんの話題が出ました。
確か、本を読むのが好きな妻に「コーチャンフォーという大きな本屋さんが札幌にはあるんだよ」ということを話したのだと思います。
すると妻から「良いね〜、あとで行きたいな」との返答。
私は思わず「えっ?!あとで?!たしかにコーチャンフォーは、深夜営業していたはずだからギリギリ間に合うかもしれないけれど…」と戸惑ってしまいました(笑)
すると妻は「えっ?これから行くの?あとでで良いよ!」と焦っている様子…。
ん?これは何か噛み合っていないぞ?と気付いた私は、「あとでってどれくらい後のことを想像しているの?」と確認してみると「後日」だと言います。
そうなんです。
札幌と栃木では、同じ「あとで」でも「数時間後」と「後日」という異なる意味になっていたのです。
明確な方言やナマリであれば分かりやすいのですが、同じ言葉で意味(認識)が異なる場合には、そのズレに気付けずに気持ちがすれ違ってしまう可能性もあります。
◆言葉の認識の違いは日常にも…
今回のような事例は、極端な例かもしれませんが、日常の中でも捉え方の違いによる気持ちのすれ違いは発生してしまうもの。
例えば…
「目標」という言葉
「よし、やるぞ!」という気持ちがわいてくる人もいれば、「嫌だな、プレッシャーだな」という気持ちになる人もいるかもしれません。
「ポジティブ」という言葉
「そう考えた方が楽だし、上手くいくよね」と感じる人もいれば、「ネガティブな自分はダメだ」と考えてしまう人もいるかもしれません。
「未来」という言葉
「不安」を感じる人もいれば、「希望」を感じる人もいるかもしれません。
このように同じ言葉を聞いても連想するイメージは、人それぞれ全く異なります。
これは、捉え方に正解や不正解があるわけではなく、人それぞれの過去の体験や今現在の価値観によって「言葉」から連想する「イメージ(意味)」が変化してくるのです。
◆気持ちのすれ違いを防ぐためには…
職場や学校、友人関係、夫婦関係、親子関係など人間関係には様々な接点があります。
心の距離が違い相手ほど「言葉の意味」は、共通しているという錯覚に陥りやすいとも言えますので注意が必要です。
何か「嫌な気持ち」を感じてしまう場面があった場合に「相手も同じ価値観で捉えているのか?」と一度立ち止まって考えてみることが大切かもしれませんね。
もちろん、「ショック」を受けたその場で冷静でいられる人は多くありませんので、少し時間を空けてから振り返ってみる時間を作ることや相手がその発言を忘れてしまう前に「どういう意味(意図)で言ったの?」と質問してみることも多様な価値観を知り、自分自身の視野を広げることに役立つ可能性があります。
あなたが今まで言われてきた嫌な言葉は、相手にとって本当にその意味だったのでしょうか?
『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵