こんにちは。札幌市北区にある『カウンセリングこころの羽・札幌本店』の岡本です。
突然ですが、あなたはポジティブな性格ですか?それともネガティブな性格ですか?
心理カウンセリングの視点で考えると…実は、基本的にどちらでもOKなのです。
「えっ?!心理カウンセリングって、前向きになるための場所じゃないの?」という声も聞こえてきそうですが…。
『カウンセリングこころの羽』としても大切にしているのは、相談者さまがポジティブなのかネガティブなのかということではなく、その考え方の“傾向性”をどれくらい相談者さまご自身が受け入れることができているかという点なのです。
つまり、ポジティブでもネガティブでもどちらでも大丈夫ということです。
これら前向き、後ろ向きという考え方の違いは、「問題解決・課題解決に向けた対策」は異なってきますので、傾向を把握することは重要なのですが、考え方を前向きな方に変えなきゃダメという視点では考えません。
もちろん、ご本人が望む場合には、様々な考え方や心理療法などを活用してサポートさせていただくこともあるのですが、前向きになることが“すべて”ではないのです。
◆なぜ、ネガティブでもOKなのか
現代では、ネガティブという言葉のイメージが一人歩きしているような気がしますが、ポジティブやネガティブというのは考え方の傾向性であって、そもそも考え方の優劣ではありません。
そもそも、ポジティブシンキングやネガティブシンキングが考え方(後天的な要素)を指しているのに対し、ポジティブやネガティブという言葉は単に先天的な傾向性を指しています。
生まれつきの性格(心理カウンセリングでは『気質(きしつ)』と呼びます)を変えようと努力しても変えることは難しいですし、本来、その必要がないのです。
◆でも、ネガティブな考え方でうまくいかないことってあるけれど…そんなあなたに。
違う角度から考えてみるとネガティブな考え方でうまくいかないというよりも…例えば、ネガティブに考えることで「行動回数」が少なくなっているという可能性も考えられます。
世の中は、ほとんどの物事が確率で発生していると思うのですが、何かの“結果”(成果)が仮に1%の確率で発生するとします。
10回だけやってみた時点だと望む結果に繋がる可能性が低いことは明らかですよね?
では、100回やってみるとどうでしょうか?
この段階で初めて1回の成果に繋がる可能性が出てくるのです。
これは極端な例えではありますが、このようなことが世の中には多いのではないでしょうか?
別の例えで表現すると、宝くじを買わなければ、どれほど運が良い人でも当たる確率は“0”になるはずです。
ポジティブになるか、ならないかではなく、実際の行動を起こすのか起こさないのかが結果に影響していると考える方が自然なのかもしれませんね。
このように考えていくと、案外、ポジティブな人よりもネガティブな人の方が成果を出す確率は高い可能性も見えてきます。
なぜなら先のことを予測して、リスクを考えることが出来るのであれば、何も考えずに行動する人よりも成功確率を高めることが出来ると感じませんか?
◆あなたの考え方は、減点方式なのか加点方式なのか
減点方式の場合、持ち点から差し引いていくとどこかの段階で0点になってしまう可能性があります。
例えば、持ち点100点から毎日1点ずつ差し引いていけば、100日で0点になってしまいますよね?
ネガティブかポジティブかという傾向性に悩むことよりもこの減点方式なのか加点方式なのかを考えてみた方が気持ちは楽になるかもしれません。
学生時代の勉強では、最高得点はどれだけ努力しても各教科100点満点でした。
だからこそ、苦手教科を勉強することで全体としての成績は向上することができたのですが…。
ここが社会に出た後の落とし穴になってしまうことが非常に多いように感じます。
もしかすると私自身にも当てはまっていたのかもしれません(汗)
実際の世の中は、限界得点(最高得点)は決められておらず、どこまでも強みを伸ばすことができます。
それにもかかわらず、苦手を克服しようと時間効率の悪い努力に意識を向けてしまう…
さらに、「できたこと」は“当たり前”。
「できなかったこと」は減点して自己評価(自己肯定感)を低下させていく…。
もしかすると心当たりがある方が多いかもしれませんね…。
私自身も20代の頃は、このパターンに偏っていました。
30代になって加点方式で考えることを身につけてからは本当に気持ちが楽になったと実感しています。
人生を振り返ってみてときに「頑張っているけれど、結果が出ない」と感じる方は減点方式で苦手分野の克服にとらわれていませんか?
『カウンセリングこころの羽・札幌本店』岡本教兵