こんにちは。札幌市にある『カウンセリングルームこころの羽』の岡本です。
これまで4回にわたり、「入社時うつ」を避ける方法をご紹介して来ましたが、いよいよ今回が最終回となります。
社会人経験が数年、数十年の方からすると「当たり前」だと思われることが中心だったかもしれませんが、その「当たり前」を身に着けるまでに時間がかかるのもまた事実…。
今回も私自身の失敗体験の中から見つけたヒントをご紹介させていただきますので、少しでも皆さまのストレスが軽減されることにつながると嬉しいです(^^)
◆5つ目のポイント・精度よりも早さを優先する
仕事を進めていくうえで永遠のテーマなのが「精度」と「スピード」のどちらが重要かということかもしれません。
私自身、この2つの基準に悩まされた一人であり、今は明確な指標を持てる程度の「失敗」も沢山体験して来たと思います…。
この失敗体験のほとんどは、前職のサラリーマン時代に経験させていただいたことなので、元職場には感謝しかありませんが…今、振り返ってみても「しなくて良い」のであれば、しない方が良かったと思う経験でもあります。
実際に私がやってしまった失敗を振り返ってみると…
〜入社1年目に岡本がやってしまった失敗パターン①〜
上司から叱られないように…との思いで、「完璧なもの」を目指してしまう。
→その結果、遅いことを上司に叱られる…。
〜入社1年目に岡本がやってしまった失敗パターン②〜
自分で「カタチ」を作ってから説明(相談)しようと考えて、時間をかける。
→いざ相談してみると上司のイメージと全く違うものが出来ていて叱られる…。
〜入社1年目に岡本がやってしまった失敗パターン③〜
日々の「やること」が多すぎて、苦手な仕事は後回しにする。
→期日が過ぎてから気付き、上司に叱られる…。
◆精度を優先してしまうことの弊害
仕事の「精度」と「スピード」のどちらを優先にするべきかは、その時の立場や内容、状況や時代背景、競合との兼ね合いなど…様々な要素が関わる可能性があるものです。
しかしながら、入社1年目などの新入社員時代には、「精度」を優先してしまうと「スピード」が極端に遅くなってしまい、結果として「仕事自体が無意味」になることも少なくありません。
極論で言うと…「上司がやった方が早いし精度が高い」に決まっているのです。
それでも上司にも時間の限りがありますし、企業としては、人を育てていかないと明るい未来がないと言っても過言ではないくらい人材育成は重要なポイントです。
だからこそ、「出来ない可能性」があったとしても新入社員に仕事を任せることになります。
この「出来ない可能性」を考えたときに重要な新入社員のとるべき行動は「やっていること」「やろうとしていること」が上司に見える状態にすることです。
この視点で考えると「いかに早く」上司に報告できる状態を作るかが仕事の評価に直結する可能性が高いことが見えてきます。
上司にとっては、新入社員がやった仕事の精度が低いことは想定の範囲内なので、出来るだけ早い段階で確認しておくことが「安心」につながり、それこそが「安心して任せられる」という状態につながるのではないでしょうか。
◆PDCAサイクルの落とし穴
ビジネスの考え方に『PDCAサイクル』というものがあります。
これは…
Plan(プラン):計画
Do(ドゥ):実行
Check(チェック):評価(確認)
Action(アクション):改善
という4つの段階を繰り返すことで仕事の質が上がっていくことや目標達成の確率を向上させる手法です。
入社1年目の私の場合は…Plan(計画)を完璧にしようとして考え込み…Do(実行)が遅れる。
しかも、十分なCheck(確認)を行わないため同じ失敗を繰り返す…という状態でした。
それは上司からも叱られます(笑)
30代以降の自分を振り返ってみると、上手くいっているときのパターンは…
行動→確認→改善→計画
になっていることに気付きました。
大きなプロジェクトや長期的な計画を動かすときには計画に時間をかけることはありますが、日常業務の場合は、とにかく行動を早い時点でスタートしてしまいます。
どれだけ完璧な計画を立ててもスタートが遅れることで上手くいかないこともあります。
それであれば、まずは行動してみて「上手くいっていないな」と感じた部分を早い時点で改善していくことで成功する確率が上がるような気がしています。
◆最後に…
入社1年目の頃は右も左も分からずに、ただただ必死に仕事をしていました…。
上司がかけてくれる期待の意味も、アドバイスの本質も、あの当時には正しく理解出来ていませんでした(笑)
それでも失敗しながらも「前に進もうとする姿勢」に少しずつ協力者が現れ(←自分自身が元からいた協力者の存在に気付いただけかもしれませんが)、少しずつ成果が出るようになっていったと感じます。
この成果が出始めたタイミングは、小さなもので入社1年以上過ぎてからでしたし、それなりのしっかりしたものだと3年以上過ぎてようやくといったところでした。
仕事の能力を高めるためには「経験」が大切です。
この経験を沢山積むためには、考えることも大切ですが、行動することが重要になります。
自分自身の気持ちを「やる気」や「モチベーション」の高い状態に維持して、どんどん経験を積んでいきましょう!
今回までに5回に渡ってご紹介した「入社時うつを避ける5つの方法」が何かのお役に立てれば嬉しいです(^^)
『カウンセリングルームこころの羽』岡本教兵