こんにちは。札幌市にある『カウンセリングルームこころの羽』の岡本です。
うつ病体験記の連載として投稿させていただいている『新入社員・岡本編』もいよいよ残り2回となってきました。
このブログを書きながら私自身の人生を振り返ってみると、なかなか辛い時期だったな…と思うと同時に「あの時、逃げ出さなくて良かった…」と感じます。
入社1年目でうつ状態になってから、回復するまでに1〜2年ほどかかりましたが、落ち込んでいる時にストレスの原因となった上司とも十年以上経って退職するときには非常に良い関係を築くことができていました。
人と人との関係は、タイミングが重要なことを改めて実感します(汗)
それでは、4つ目の入社時うつ対策をご紹介していきます♪
◆方法その4.出来なくて当たり前、出来たら自分で褒める
入社して間もない時には、よほど人材育成に力を入れている職場でもない限り、「褒めてくれる人」は少ないものです。
もちろん、入社当初から周囲から期待されていて実力を存分に発揮できるようなタイプの方は自然と「褒められること」もあるかもしれません。
しかし、20代前半だった当時の私も含め、周囲の期待からは程遠い立場だったり、期待に応えられずに周囲から浮いてしまうことも少なくないのではないでしょうか?
この状態になってしまうと、上司や先輩から褒められることも少なくなりますし、仮に褒められたとしても「お世辞を言われた」「本心ではないのでは」「気を遣ってくれているだけ」と感じやすいかもしれません。
つまりは、周囲からの評価や承認、肯定的な発言を受け入れにくい状態になってしまうのです。
そして、厳しい職場だったりすると、「上手くできても当たり前」「失敗したら怒られる」ということもあるかもしれません。
それはそれで、上司や先輩からの期待の表れである可能性も考えられます。
ただ、気持ちが落ち込んだ後にはプラスの可能性に目を向けることが難しくなるものです…。
◆ありのままの自分を受け入れる
今回ご紹介する考え方は2つの視点を組み合わせています。
その一つ目が「出来なくても当たり前」という視点。
これは、別の表現で言うと「ありのままの自分を受け入れる」ということです。
新しい仕事や新しい環境になると、それまで感じていたストレスよりも大きなストレスを感じる機会が増えます。
この状態が良い刺激になることもありますが、多くの場合は、ストレスという負担が増えることになるのです。
そうすると…本来持っている能力を発揮することが難しく、結果として失敗が増えます。
この段階で「自分は出来る」という意識を過剰に働かせてしまうと、理想と現実のギャップで更に大きなストレスを感じるという悪循環に陥ります…。
この悪循環を避けるためには、「出来た方が良いけれど、今の時点では出来なくても当たり前」と考え、ありのままの自分を受け入れることが重要です。
◆自分で褒めるとは…
ありのままの自分を受け入れることと同じくらい大切な心へのアプローチ方法が「出来た時に自分自身で褒めること」です。
これは、「自己承認」と呼ばれるもの。
他者からの承認は、様々なタイミングや条件の組み合わせにより自分が期待したタイミングでは得られないことがよくあります。
人間関係が深くなる前の新入社員であれば尚更です。
自分では上手く出来たと思っても、先輩や上司のレベルから見れば「まだまだ」となることが多いのは当たり前のこと。
でも、冷静に考えてみると上司や先輩にも「新入社員」の時代があったはずです。
数年や数十年の経験がある相手と経験不足な自分を比較しても落ち込むだけなのは当然かもしれません。
入社当初に大切なのは、周囲からの評価は真摯に受け止めるとしても「自分自身」だけは常に「自分を褒める」姿勢を保つことです。
これは自己肯定感を高い状態に保つことにも繋がります。
◆まとめ
いかがでしょうか?
新入社員時代には、周囲の期待と自分自身の実力に誤差があることも多いのです。
その結果、自分でストレスを増やしてしまったり、周囲の評価を必要以上に気にしてしまったり…と気持ちが落ち込むきっかけを沢山持つことになってしまいます。
この悪循環を避けるために自分自身をありのまま受け入れ、出来なくても否定しない。出来たら自分で褒める。
この考え方がうつ病やうつ状態に陥ることを予防することにつながることにつながるかもしれません(^^)
次回はいよいよ『うつ病体験記〜新入社員・岡本編〜」の最終回です。
お楽しみに♪
『カウンセリングルームこころの羽』岡本教兵