こんにちは。札幌市にある『カウンセリングルームこころの羽』の岡本です。
これまで私自身の人生経験から社会人1年目〜3年目あたりで「うつ病」や「うつ状態」になってしまうことを予防するためのヒントをご紹介してきました。
今回は、その3回目としてストレスを溜めないためのヒントをご紹介させていただきます。
◆方法その3.同期や同年代の仲間を作っておく
「当たり前だよ」という声も聞こえてきそうですが(笑)
前回ご紹介した「方法その2.相談相手を見つけておく」とは、また違った意味での人間関係構築のお話です。
相談相手を見つけることの意味としては、困った時、悩んだ時、壁にぶつかった時に解決のためのヒントをもらうことが重要だからです。
今回の同期や同年代の仲間を作っておくことは、また違った視点(心理学的視点)からのお話しです♪
◆なぜ、仲間が重要なのか
「人は一人では生きられない生き物です…」というような一般論的なお話しではありません。
カウンセリングでも重要視される理論の一つに『自己実現理論』というものがあります。
これは、アメリカの心理学者・アブラハム・H・マズロー氏が提唱した考え方で人の欲求を5つの段階に分けて考えているため、別名『5段階欲求説』と呼ばれることもあります。
この理論の特徴は、人の欲求が5つの階層に分かれていることと、上位の欲求が現れやすくなるためには、下位の欲求が満たされる必要がある。という考え方です。
これらは、統計的な話が土台になっているため全ての人に同じように当てはまるというよりも実感に個人差がある可能性が考えられますが、それでも日々、カウンセリングのお仕事を札幌でさせていただいていると多くのご相談者さまから「たしかに」「自分にも当てはまる」というお声をいただくことが多い印象があります。
また、表現上「上位の欲求」「下位の欲求」という言葉を使っているため下位の欲求に当てはまるタイミングの場合、「レベルが低いっていうこと?」と思われてしまうかもしれませんが、実際にはそのような意味合いではありませんので、ご安心ください。
日頃の中で意識が高いタイプの方であっても環境の変化などによって「下位の欲求」まで段階が低下することもあるのです。
このような意味では、環境やタイミングによって誰にでも気分が落ち込む可能性が考えられるということかもしれませんね(汗)
◆自己実現理論における“仲間”とは
さて、いよいよ今回のブログの本題ですが…『自己実現理論』における“仲間”とは「社会的欲求/帰属欲求」を満たす存在と考えることができます。
会社が求める“理想的な従業員”は、自己実現理論で表されるところの「自己実現の欲求」と「尊敬、評価の欲求(=承認欲求)」の段階であることが多いのですが…
この欲求の段階を維持するためには、「帰属欲求」が満たされている必要があるのです。
前回ご紹介した「相談相手」が「帰属欲求」を満たす場合も少なからずあると思いますが、何かのストレスが重なり気持ちが落ち込んだ時には「相談相手」の存在が逆にプレッシャーになってしまい、最悪の場合には「安全の欲求」まで欠乏する可能性があります。
実際に私の場合は、このパターンでした(苦笑)
会社に入社した当時は、「自己実現の欲求」の段階にあったと思いますが、正社員になってから約半年経った時点で本社勤務になり、人生で初めて「プロジェクト」に関わったときに挫折を経験しました。
本来であれば、人から認められること、承認されることが大好きな性格なのですが、実力が伴わない中での「抜擢」(立候補でした…)だったので、結果として周囲からの信頼も失っていったのです。
こうなると次に重要なのが「仲間」だったのですが、その当時、本社に同年代の社員が少なく、うまく仲間づくりができなかったのです…。
こうなってしまうと本来、相談できるはずの上司は、「プレッシャーをかける人」に感じるようになり、距離をとるようになります。
そして、会社自体に居場所がない感覚となり、入社当時に持っていた「やる気」や「モチベーション」は見る影もなくなっていったのです…。
◆仲間を意識することで気持ちの低下を予防できる
仲間がいること、仲間を意識することによって、会社が求める必要最低限の「モチベーション」は維持できる可能性が高まります。
それとは逆に20代前半の頃の私のように「仲間がいない(と思っている)状態」になってしまうと次の段階では仕事や将来への不安を感じるようになり、益々、自分の居場所をなくしてしまうことにつながるのです…。
そして、当時の私が行き着いたのは、不眠症の状態でした(汗)
心理カウンセラーという現在の立場で人生を振り返ってみると、あの当時に「仲間」がいると気付いていればもう少し楽だったなぁ…と感じます(^^;
『カウンセリングルームこころの羽』岡本教兵