こんにちは。札幌市にある『カウンセリングルームこころの羽』の岡本です。
最近、少し社会問題にもなっている気がする「スマホ」。
「歩きスマホ」は、確かに周囲の歩行者や自動車など、危険が及ぶので注意が必要だと思いますが、皆さまはスマホをどのように使っていますか?
もちろん、歩きスマホなどを批判するための記事ではありませんので、ご安心ください。
(心当たりがある方は、自己責任の範囲で注意していきましょうね)
今回は、私の家庭での事例をもとに「悪い習慣」と感じたことをやめるためのテクニックについてご紹介したいと思います♪
◆人が習慣を身につけるには…
そもそも「習慣」とはなんでしょうか?
Wikipediaでは…
ある事が繰り返し行われた結果、その事がしきたりになること。しきたり。ならわし。
と書かれています。
つまりは、繰り返し行うからこそ「習慣」になるわけですよね。
でも、どれくらい繰り返した段階で習慣と呼べるのでしょうか?
そのヒントは「21日の法則」という考え方に照らし合わせると少し見えて来ます。
この「21日の法則」は、身につけたいと思った行動を21日間(つまり3週間)、毎日行うと22日目からはやらない方が不自然になってしまう。
という統計に基づいた考え方です。
「統計」ですので、全員ぴったり21日♪なんてことにはならないと思いますが、一つの目安にはなるのではないでしょうか。
そして、驚くことに…
医師が「うつ病」などを判断するときの指標になっている『DSM5』というものがあるのですが、その中の基準として「3週間以上◯◯という傾向が続いていること」とされている場合が多いのです。
例えば…3週間以上、気分が激しく落ち込んでいる傾向が続いている場合は、「気分性障害」と診断しても良いというようなイメージですね。
3週間=21日なのです(驚)
この2つの考え方から導き出せる仮説としては、「良い習慣」も「悪い習慣」も3週間(21日)以上続くと定着しやすい。
と表現することができそうです。
◆そもそも、どんなことが習慣化されやすいのか…
これは、詳しく解説すると小難しい話になってしまうので、簡単に表現させていただくと「本人にとってメリットがあること」が習慣化されやすいと言えます。
「えっ?!じゃあ、うつ病やうつ状態になるのは、本人がメリットを感じているってこと?!」という声が聞こえてきそうなので、少し補足すると…
これは「顕在意識」と呼ばれる自分で自覚している「意識(考え)」レベルの話ではなく、「潜在意識」つまりは「無意識」レベルの話なのです。
例えるなら、うつ状態についても本人が「頭」ではデメリットが大きいと思っていても「無意識」に「必要」と感じている場合は、「うつ病」や「うつ状態」になるということです。
実際に「うつ病」を体験した方のお話を伺っていくと、「過労」が原因となることもよくあります。
この「過労」状態は、「頭」では、「もっと働かないと」「働くことが必要」と考えていても、身体や脳が「もう働かないで」「これ以上は無理だよ」とSOSを出すことになります。
それが、結果として「うつ病」「うつ状態」にすることで(脳からの指令として)「強制的に働けない状態を作る」ことで物理的に身体が壊れてしまうことを予防している…とも表現できるのです。
これは、本人の意識としては「うつ病」=デメリットかもしれませんが、無意識レベルでは「うつ病」=必要(メリット)と認識されているということになります。
もちろん、「うつ病」や「うつ状態」は、様々な条件が複雑に絡み合うこともよくありますので、ここまでシンプルな話ではないこともありますが、分かりやすく説明をするとこのような考え方が基本になるのが「習慣」なのです。
◆習慣化するためのテクニック
前述した通り人は、メリットがある場合にその行動を「習慣化」します。
意識しなくても自然とできるようにした方が「楽」なので、ある種の「自動化」を行っていると表現することもできますね。
結論としては、自分が意図したことを意識的に習慣化するポイントは…「メリットを明確にすること」となります。
メリットが曖昧な状態では、気持ちも頭も習慣化に向けて動いてくれないんですよね…。
今回の私の具体例「トイレでスマホを使わない」を習慣化するポイントを考えてみると…
- 時間が有効活用できる(トイレに入っている時間が減る)
- 他の家族がストレスなくトイレを利用できる(待ち時間が減る)
- 目が疲れにくくなる
- 快適な腸内環境が作られる(トイレに集中できるため)
- スマホのバッテリーが長持ちする(そもそも使用頻度が減るため)
- 頭を休めることができる
- 妻に褒めてもらえる(?)
ということが思い浮かびました。
◆悪い習慣を変えるためには…
例えば「禁煙外来」などでどんなことをやっているか…というと(もちろん病院によって違いがあると思います&タバコの全てを否定しているわけではありませんのでタバコを例にあげたことをご容赦ください)
「タバコの害を印象付ける」
という方法も重要な手法になります。
タバコの場合…「1本吸うごとに寿命が◯◯分縮んでいる」「タバコを1日◯箱吸うと肺がんのリスクが◯%上がる」というようなことを動画なども用いて患者さんの記憶にすり込んでいくんですね。
これと同じように既に身についてしまっている「やめたい習慣」を変化させるためには、「やめるメリットの意識」だけではなく「続けるデメリットの意識」も強くすることが有効です。
こちらも私の「トイレでスマホを使わない」(トイレでスマホを使い続けた場合)を例に考えてみると…
- 妻の機嫌が悪くなる
- 娘に嫌われる(かもしれない)
- 便秘になるリスクが上がる
- 便秘になった場合、大腸がんなどのリスクが上がる
- 目が疲れる
- 頭が疲れる
- スマホの寿命が縮み経済的な損失が増える
などが考えられます。
これはメリットであげたものの「逆パターン」ではありますが、どちらの方がより「効果的」なのかは、人の価値観によって異なってきます。
私の場合は、メリットを意識した方が気分よく習慣を変化させられるような気がするので(笑)
そちらの方法を意識しながら習慣化に挑戦してみようと思います♪
『カウンセリングルームこころの羽・札幌本店』岡本教兵